40.ピックの持ち方
何を今さらって感じですが、ピックの保持の仕方にもいろいろあるようなので、今回はピックの持ち方について書きます。 私の知る限り、ピックの保持の仕方には3通りあるようです。 なお、関節は指先に近い方から第一関節、第二関節と言います。 ①人差し指の第一関節と第二関節を曲げて、人差し指の爪の側面と親指の先でピックを挟む方法。おそらく、最も一般的な持ち方でしょうか? 私も最初はこのように持っていました。 ②人差し指の第二関節のみほぼ直角に曲げて(第一関節は伸ばし気味)、人差し指の爪の側面と親指の先でピックを挟む方法。ピックが人差し指の延長という考え方でしょうか? ③人差し指の第二関節のみほぼ直角に曲げて(第一関節は伸ばし気味)、人差し指先の腹と側面の間と親指の先でピックを挟む方法。いわゆる「塩をつまむような」持ち方です。(なぜ砂糖じゃなくて塩なのか? 砂糖だと手がベタベタするので、つまむというより、スプーンで掬いますよね、大体。塩もスプーンを使ったりするけど、砂糖よりは何となくイメージしやすいのかしらん?) すべて人差し指と親指でピックを挟むわけですが、余った指はどうするのか? ①②③いずれも中指、薬指、小指は軽く卵を握るように、ジャンケンのグーからパーに移る途中のようにします。私の場合、③なのですが中指を人差し指に添えて弾いているときもあります。親指に対して人差し指だけでは力負けするので、中指以下の力を借りるわけです。ときに親指と人差し指以外の指が開いて弾いている人を見かけますが、見た目も美しくありませんね。私は「OK奏法」と呼んでいます。 私は高校入学後にマンドリンを始めたのですが、大学3年生の春くらいまで、①でした。 現在は③の持ち方です。 そのきっかけは、某大学との合同演奏会でした。私は学生時代はマンドラを弾いていたんですが、音量はあるものの、あまり美しい音色を出しているとは言えませんでした。ところが、その合演をした大学ではマンドリン属の人たちは皆、③の持ち方をしており、音色がとてもとても美しかったのです。③だとピックが弦に対して平行かつ垂直に当てやすいんですね。そこで、一発奮起。ピックの持ち方を①から徐々に③に変えていったのです、少しずつ人差し指の第一関節を伸ばして弾く様に。時間に余裕がある学生時代だったから出来たことかもしれません。おかげさまで、音色は以前より綺麗になりました。目安となるピックの削れ方も以前よりは良くなりました。①で弾いていたときはいわゆるピックの「片削れ」が酷かったのです。③の持ち方の現在でも多少「片削れ」していますが、比ではありません。ピック自体も当時はべっ甲で、今はナイロンという違いはありますが。概ね、
ナイロンの方がべっ甲よりは磨耗が少ないですから。 ここで、誤解されては困るのですが、③の持ち方が一番優れているかというと、そういうことではないんです。私は初心者の方には自分の現在の持ち方である③を教えていますが、すでに①や②で綺麗な音で弾けている人には持ち方を変えさせたりはしません。 ただ、あまりにも雑音が多いような人には③の持ち方をお薦めしています。 あと、右手首を表面板に向けて大きく曲げて弾いている人(平均奏法)だと、③の持ち方は難しいかもしれません。
余程人差し指の第一関節が逆に曲がらないと(反らないと)ピックが弦を捕らえにくいからです。