45.本番に向けて

April 10, 2017

ある生徒さんから
「本番に向けての持って行き方みたいなことをコラムに書いてください。」
とリクエストがありました。
おそらく彼は主にメンタルな面を知りたいのだと思いますが、いろんな面から書いてみようと思います。
なお、これは合奏団(団体)での本番というよりは主に独奏(ソロ)もしくはアンサンブルの本番に向けて、ということです。

 


■準備段階

①暗譜は1ヶ月前までに
私は本番を暗譜で弾くことはないのですが、ほぼ暗譜するぐらい練習してから本番にのぞんでいます。

本番中に楽譜を置いているのは「お守り」みたいなものです、緊張で頭が真っ白になったときのための。

どんなにやさしい単旋律のような曲でも、暗譜で弾けるぐらい練習してから、人前で弾きます。

問題はほぼ暗譜してからの1ヶ月間ですね。そこからが本当の練習といえるかもしれません。

いろんな意味での「自分との闘い」(?!)といえばカッコ良すぎかもしれませんけど。

②間違えても止まらずに弾き続ける練習
合奏だったら、自分が間違えて落ちたりしても(弾いていなくても)他の誰かが弾いてくれています。

ところが、独奏やパートひとりのアンサンブルだったら、自分以外に弾く人はいないわけで。

そこで、間違えてもすぐに立ち直れる練習も必要ですね。機械(ロボットやコンピュータ)が弾くのではなく、

人間がやることですから、間違えても不思議ではありません。
むしろ、間違えない方がおかしいかも?
問題はミスをした後の処理ですね。
いわゆる上手い人は言葉は悪いですけど、誤魔化すのもウマいんです。
それはもちろん、まずは間違わずに弾けるようにたくさん練習した上でのことですけども。

③トレモロの練習は欠かさずに
これは緊張した状態でも右手のコントロールが出来るようにしておくということですね。
個人差はあるようですが、本番でトレモロが出来なくなる=制御不能になる という体験はありませんか?

私は哀しいかな、よくあります。
私はネガティブな対策として、プログラム1曲目には出来るだけトレモロを使わなくてよい作品を配しています。

 


■本番前日まで

①本番が近づいてきたら、いきなり曲を弾いてみる
最初は指慣らしというか弾き始めは基礎練習からという方も、本番が近づいてきたら、いきなりプログラムの1曲目

の曲を弾いてみましょう。
弾けたら自信がつきますし、弾けなかったら練習不足という風に解釈しましょう。

②本番直前の練習は猛スローで
猛スピードではありません、猛スローです。速いところほど、ものすごーくゆーっくり練習します。
速いパッセージなどは勢いで弾いてしまって、実際それで弾けてしまったりするのですが、それが本番では勢いが

なくて弾けなかったり、逆に勢いがつきすぎて、スピードについていけなくて弾けなかったりするものです。
「勢い」だけに頼らずに弾けるように準備しておきましょう。

③弦は当日換えない
以前は本番前日の夜(就寝前)に換えて、当日リハーサルが終わると弦が死ぬ=バテる=響かない→慌てて

本番直前に弦を張り替えて調弦が狂ってしまった という経験はありませんか? 
今ではマンドリン弦の種類も増えて「日持ち」がするものも出てきました。
巻線である3弦(D線)、4弦(G線)は本番前日の日中に換えています。本番がないときでも、響かない弦は

弾いていて気持ち良くないので、低音弦だけは2週間程度で交換しています。
私は単線の1弦(E線)、2弦(A線)はほとんど換えません。といっても年に3~4回ぐらい。
ちなみに、最近は日持ちの良さとキュッキュッというポジション移動時の雑音が少ないという点から、

低音弦はアルスを、高音弦はオプティマ赤を使っています。

④爪は当日切らない
マンドリンの独奏をやっていると、和音が多いということもあり、左手の爪が少しでも伸びていると邪魔になります。

普段からほぼ深爪するくらいに短く切りますね。ただし、前日までに切っておきましょう。

当日切ると微妙な感覚が麻痺したりします、ちょっと大袈裟ですけども。

⑤本番前日は夜更かししない
そんなに夜遅くまで練習するという事はないでしょうが、寝不足が一番良くないようです。
本番中に一番大切なことは集中力だと思いますが、私の場合、睡眠不足と直前の食事が一番の敵かしらん?

前日って興奮して眠れないんじゃないか?って思われますけど、意外と練習や準備に追われて疲れてしまい、

寝てしまうものですよ。

⑥本番が待ち遠しい気分になる
「あぁ、早く本番来ないかな~!」みたいな気分のときは良い演奏が出来るような気がします。

 


■本番当日

①譜面台、足台は持参で
ホール備え付けの譜面台は楽譜面が倒れないものが多いです。マンドリンの場合はお腹の辺りで弾きますから、

出来るだけ弾いているところが見えるように、音響的にも譜面を立ててバリアにしないように、膝の高さぐらいで

水平近くに倒しますからね。
持ち運びのために譜面台は軽いものがオススメですが、足台はあまり軽いものだと安定性に欠けるようですので、

多少重いですけどしっかりしたものの方が良いでしょう(体重による?)。

②当日のゲネは赤ペン
運指などは当初のものから変更したりすることもあるので、私は普段楽譜には鉛筆で書き込んでいますが、

当日のゲネプロ(リハーサル)には赤ペンを使います。当日の訂正が最終決定ということです。

最初から赤ペンだと楽譜が真っ赤っかになり、訂正も出来ないし。
また、シャーペンは字が細すぎて見難いので私はダメです。

③上手く弾けたときのイメージを思い出す
その人の性格にもよると思うのですが、本番直前はどうしても悪いことを考えてしまいがちです。
「自分は弾ける!」という強い気持ちで、上手く弾けたときのイメージを思い出すと良いでしょう。

④本番ではお客さんを味方につける
当然のことですが、別にお客さんは敵ではないのですが、お客さんを味方につけるというか、お客さんを巻き込んで

一緒に楽しめる雰囲気にしてしまうということでしょうか? 
具体的に書くのは難しいのですが、緊張はしても萎縮はしないことです。

⑤練習で出来ないことは本番では出来ないので、やらない
と言いますけど、たま~にありますね、出来るときが。しかしこれは「まぐれ」だと思っていいでしょう。
無理はしないことですね。
具体例を挙げれば、練習よりもかなりテンポが速かったりとか。
本番は多少速くなることを想定して練習するものですけどね。

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「演奏している人間が楽しんで弾かないと、聴いているお客さんも楽しめるはずがない!」
というようなこともよく耳にしますが、当然のことです。
しかし、あくまでも自己満足にだけは終わらないように、本番を楽しんで弾きたいものですね。
 

 

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