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22.マンドリンに合う曲って?

先日、いわゆる営業の仕事で、「次回、お客様のリクエストでカーペンターズの トップ・オブ・ザ・ワールドを弾いていただけますか?」と仲介者の方から連絡がありました。 さらにその方曰く「トップ・オブ・ザ・ワールドって、マンドリンに合うのかしら?」 そこで、眠っていた疑問が湧きました。 「マンドリンに合う曲って何だろう? 逆に合わない曲ってどんな曲だろう? 何をもって、合うとか合わないと言うのだろう?」 マンドリンのために書かれたオリジナル作品ならば、マンドリンに合うんでしょうか? 古賀メロディーなら合うのかなぁ? (古賀メロディーを否定しているわけではありません、念のため。) マネンテなんてほとんどは吹奏楽曲なのに、中野二郎氏の編曲のおかげでマンドリンオリジナル曲と勘違いしている人

も多いし。 今では幻となった(絶版ってことね)最初のCDの曲目解説でも書いた記憶がありますが、 例えば、モンティのチャールダーシュ。 ほとんどの人々はヴァイオリン曲だと思っているけど、実はマンドリンまたはヴァイオリンのために書かれた作品であった

という事実。お客さんも喜ぶし盛り上がるから、よく弾きますけど。 たしかに、速いフリスカの部分はマンドリンっぽいといえばそうだけど、 前半の朗々としたラッサンはマンドリンというよりヴァイオリン的かな? マンドリンの特徴をピッキング(スタカート)と捕らえるならば、十六分音符が続くような曲、 例えば、極端な例としてリムスキー=コルサコフ作曲の「熊蜂の飛行」やグリンカの「ルスランとリュドミラ」序曲など合う曲

と言えるでしょう。 でもこんな曲、誰でも弾けるってわけにはいきませんよね。 反対にマンドリンの特徴をトレモロとするならば、ゆったりとしたトロトロした曲も合うということになりますね。

ただ、これを持続音として聴くか、連続音として聴くか、という違いがありますが。 よくロシア民謡がマンドリンに合うと言われますが、それはロシアの民族楽器であるバラライカやドムラ(ドラムじゃないよ)

が撥(はじ)く楽器でトレモロも多用し、音色もマンドリンに似た楽器だからでしょうね。 また、「合う曲」と「好きな曲」を混同している事も多くありませんか? 「好きな曲」だから「合う曲」だと思い込んでいたり、「嫌いな曲」だから「合わない曲」だと判断していたり。 具体的に作品名を挙げると問題がありそうなので、あえて書きませんが、これはマンドリンではナシでしょう!と思われるような選曲。逆に、マンドリンだからこそ何を弾いてもいいんだ!というような選曲。 結局は音楽的に上手く演奏すれば済むこと(これが一番ムズカシイ)かもしれませんが、 これは嗜好の問題なのかしらん?


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