54.マンドラはおいしい?

2009年1月、師匠の還暦記念コンサートで私はマンドラを弾きました。 発表会で生徒さんの伴奏で弾くことはあるものの、本格的な演奏会でマンドラを弾いたのは久しぶりでした。 実は私、高校、大学と、合奏では、ずっ~とマンドラを弾いておりました。 独奏を始めた時も最初はマンドラで弾いていたのですが、さすがに無伴奏曲の複雑な曲になってくると和音は指が届かない。そこで、マンドリンを本格的に始めました。大学4年生のときです。 それでも、大学のクラブの合奏ではマンドラを弾いていました。 一般的にマンドラからマンドリンに転向すると、左手が大変と思われるようですが、私の場合、右手のタッチというか、振り幅に苦労した記憶があります。 「マンドラはおいしい。」とはよく言われることですが、たしかに合奏を楽しむには「おいしい」パートだと思います。 その理由は、曲中最低でも1回はメロディーが出てくる、オブリガートや裏メロもある、リズムを刻むときもあれば、

他パートのメロディーとハモるときもある。 かたや消極的な理由としては、中低音という音域のため、間違えてもマンドリンパート(特にファースト)のように目立たない、

さらには、ファーストマンドリンのように複雑なややこしいフレーズは少ないし、 男性だったら、手の大きさもマンドリンでは持て余すけれども、マンドラだったらちょうど良いとか(チェロは大きすぎるかな?)。要するに楽(らく)なんですね。 左手の握力はマンドリンよりも必要かもしれませんが、合奏を楽しむならドラパートでしょうね。 合奏におけるマンドラの位置づけとしては以上のような「おいしい」ところも多々あるわけですが、これが独奏楽器としての

マンドラとなると、これが決しておいしいとは言えないですね。 まず、合奏用に創作されたマンドラという楽器には、オリジナルの独奏曲が少なすぎる。 まぁ、オリジナルではなくても、例えばチェロのために書かれた作品でもよいわけですが、最低音の関係で、部分的に

オクターブ上げたりしないといけない。 マンドリンやヴァイオリンの作品を弾くには、前述のように、その大きさから、和音は指が届きにくくて大変ですが、単旋律中心の作品はそのマイルドな中低音を生かしたものならマンドリンで弾くよりも効果的かもしれませんね。 また、いわゆるレギュラーもの(オーケストラや弦楽四重奏など)のアレンジではヴィオラのパートがそのままマンドラに

移されているものも少なくないのですが、マンドリンオリジナル作品に比べて、ヴィオラ=マンドラパートは辛いですね。

ほとんど、メロディーも廻ってこないし、刻みやロングトーンがほとんどですから。ひたすら、内声を楽しめる性格の方は

と思いますけど。 ところで、マンドリン合奏を客席で聴いていると、マンドラがメロディーを受け持つところなど、聴こえ難くて、もっと大きな音量で弾いてほしいと感じることがありませんか? 弾いている方たちはフォルテで弾いているつもりなのでしょうが、音域的に中音域は客席までは届きにくいようです。

マンドリンだと小さな音量でも通るのですが。 ただし、カルテットや少人数のアンサンブル、すなわち各パートの人数がほぼ同数のときには、絶対音量はマンドリンを上回るマンドラやマンドロンチェロは少しだけ抑え目に弾いた方がバランス良く聴こえると思います。 あと、マンドラを弾く時に気をつけないといけないのが、最低音弦の第4弦(G線)。 第4弦(G線)がちゃんと鳴るマンドラは良いマンドラ なんて言いますが、そんなマンドラ、滅多にありませんね。楽器の構造上、第4弦(G線)の弦長は本来もっと長くないといけないのです。 これはマンドロンチェロにも言えるのですが、最低音弦を弾く時には注意しないといけませんね。 私は少しだけブリッジ寄りで弾いたり、スラーがついていても=同一弦上で弾かないといけないときでも=7フレットのレ(D)は

出来るだけ使わず、第3弦(D線)の開放弦のレ(D)を使っています。 つまり、第4弦(G線)は6フレット(ド♯、Cis)までしか使わないことにしています。 うまく移弦するのは面倒ですが、ボテボテした音には違和感がありますので。 最後に。以前にも書きましたが、マンドリンの祖先楽器と言われている楽器は「マンドーラ」または「マンドウラ」で、

現在のマンドラとは全く別の楽器です、念のため。


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