37.トレモロを左手で切る
正確に書くと、左指で音を切るということになりますが。 例えば、唱歌の「♪う~さ~ぎ~追~いし」の「ふるさと」を思い浮かべてください。 冒頭の「う~さ~ぎ~」の部分「ソー・ソー・ソー」のようにトレモロで同じ高さの音が続くとき、
皆さんはどうやって音を切っていますか? ピッキング(スタカート)のときは右手で弾きなおしているわけですから、同じ高さであろうと音が繋がってしまう
ということはないのですが、トレモロだと一つ一つの音を切ってあげないと「ソー・ソー・ソー」の3拍間が長い
3拍の「ソー」としか聴こえてきませんね。 このような場合、多くの方というかほとんどの方は、右手でトレモロを弾きなおしていますね。 私は左手で切っています。 どうやって左手で切るかというと、一瞬消音状態を作ってあげるんです。 例えば前述の「ソ」が第3弦(D線)の5フレットの「ソ」だったら、「ソ」を押さえている指、 仮に第1ポジションで3指(薬指)を各拍の終わりにホンの一瞬力を抜いて、すぐに力を入れます。 このとき、トレモロをしている右手は動かしっぱなしです。 左手で切るので、右手はいちいち止める必要がないわけです。 3指(薬指)の力を抜いた一瞬が消音状態になり、音が繋がらず、長い3拍の「ソー」ではなく、四分音符3つの
「ソー・ソー・ソー」と聴こえてくるわけです。 ただし、左手で音を切るこの方法、タイミングが難しいです。 右手のトレモロのスピードに合ったタイミングで左手も力を抜いたり入れたりしないと、窮屈に聴こえたり、
歪な感じに聴こえてしまいますので。 もともとは私の物臭な性格から(?)始めた音の切り方ですが、速いテンポで八分音符の連続で同じ高さの音を
トレモロで弾かないといけないときなどはこの上なく便利です。 右手で切る(弾きなおす)と八分音符が八分音符には聴こえづらいですし。 押さえているときよりもタイミングがさらに難しくなりますが、開放弦も左手で切れると便利ですね。 消音の要領で、適当な左指で一瞬弦に触れるのですが、上手くやらないと逆に音が出てしまいます。 ほとんどの場合は左手で音を切れるのですが、フレーズやスラーの変わり目は右手でトレモロを弾きなおしましょう。 ただし、あくまでも休符ではないので、トレモロの最後のアップ(ダウンの場合もあります)を抜くような感じで。 右手でトレモロを弾きなおす場合は、押さえている左手(指)の力は抜きません。 したがって、音を切る場合は左手か右手かどちらかで、ということになります。