24.続・「基本練習はどんなことをやっていますか?」
「基本練習はどんなことをやっていますか?」というコラムを以前書いたのですが、 多少漠然とした内容だったので、今回は具体的にある日の基本練習を書いてみます。 別に、自分の練習内容を教えたくなかったわけではありませんよ。 ボーとしたまま楽器を取り出し、いきなり2弦か3弦をトレモロ。なぜ、2弦か3弦かというと、私の場合ピックを両側の弦に
留めて弾くからです。 出来る限り長い時間続けます、といっても数分間ですけど。 この段階では調弦はしていません。私は弦は張りっぱなしなので、調弦がそんなに狂うことはありません。 ここでのポイントは調弦もせずにいきなり弾くということです。 ファーストタッチがトレモロってことです。調弦してしまうと調弦がファーストタッチになってしまい、いきなり弾くということ
にはなりませんからね。 緊張した状態でのトレモロ対策にはなっているかしらん? 同一弦でのトレモロが終わったら、ちゃんと調弦して、移弦の練習。 これは前回記したとおりです。 トレモロが落ち着いてきたら(安定してきたら)アルペジオの練習。左手はGコード (低い音からG,D,B,G)で。最初はゆっくり、噛み締めるように。徐々に速くしていきます。 ひとつひとつの音をよく聞いて、速くなってもダンゴ(塊)にならないように。 美味しい炒飯(チャーハン)を思い浮かべながら弾きましょう。 うまい炒飯って、ご飯がダマにならずにパラパラでしょう? 次は重音のトレモロの練習。左手は、やはりGコードを押さえた状態で。 まず、4弦だけの単音、次に4弦と3弦の二重音、さらに2弦も加えて三重音、最後に全弦(四重音)でトレモロ。
全弦トレモロをちゃんと鳴らすのはかなり難しいですね。 今度は逆に弦の数を減らしてトレモロします。四重音→三重音→二重音→単音という風に。 ここでのポイントは音の粒は一定であること。単音でも重音でも出てくる音のひとつひとつの粒は同じってことです。
ということは弦の数が増えるほど右手を速く動かさないといけないですね。 また、単音では手首からのトレモロでも間に合いますが、重音で弦の数が増えると振り幅も広くなりますから、手首だけでなく
肘から動かさないと弾けませんね。 また、単音でも重音でも出てくる音量は同じになるように弾きましょう。 普通に弾いたら重音の方が大きな音量になると思いますが、そこを同じヴォリュームになるようにピックを持つ右指先の力
(ちから)を加減して。ピックを弦に当てる深さも出来る限り浅く、弦を掃くように弾くといいですね。 最後に左手の技巧練習。ムニエルの20番など、まず、出来るだけ速く弾いてみます。 右手はいわゆるトレモロの速さですね。次にゆっくり弾きます。いろんな速さで弾いてみます。 最初はゆっくり、徐々に速くという方法もありますが、いきなり速く弾くという練習も指の瞬発力を付けるためには必要ですね。 以上、参考にしてみてください。