19.続・「トレモロ」の話~スラーとトレモロ

マンドリン系の楽器には、大きく分けるとトレモロとピッキング(ピッキングが速くなったものがトレモロですが)とい

う2つの奏法がありますが、楽譜上で皆さん、どう判断していますか? 昔は、スラーが書いてあるところはトレモロ、スラーがついてないところはピッキング、という暗黙の(?)ルールが

ありました。そのつもりで書いている作曲(編曲)家もたしかにいらっしゃいますが、最近では必ずしも「スラー=

トレモロ」ではありませんね。 「スラー」ってどんな意味でしょう? 「滑らかに」とか「音が途切れないように」とか「音と音とを滑らかにつなげて

演奏すること」ですよね。 私が言いたいのは「トレモロで弾いて、そのフレーズが滑らかにスラーに聴こえるのか?」ということなんです。 トレモロを使用して滑らかに聴こえればそれに越したことはないのですが、ただやみくもに「スラー=トレモロ」では

いけませんね。 例えば、結構速いテンポで、八分音符のアルペジオみたいなフレーズでスラーが付いている場合。 たまに賛助で合奏団のお手伝いに行くと、これを「トレモロで弾いてください。」なんてご指示が。 「(心の声)ゲ~、これをトレモロで弾くのかよ~!」 実際、トレモロで弾いてみると、とても滑らかには聴こえない。 ダブルノートか三連音符の連続なんですけど。ガチャガチャガチャガチャ聴こえるんですけど。 たしかに、マンドリンの魅力のひとつに「良い意味でのガチャガチャさ」というのは存在すると思いますが。 もっと、ギターとかピアノとかハープをイメージして、音を残しながらピッキングで弾いた方が、よっぽど「スラー」に

聴こえるのになぁ~。 こんなときは、結局本番ではこっそり、トレモロしないんですけどね、私。 「トレモロしない=ピッキング=手抜き」という考え方がいまだにマンドリンやっている皆さんの頭の片隅にあるような

気がするんですけど。。。。 ところで、私がトレモロに最初に疑問を抱いたのは、今から15年位前、フンメルのマンドリン協奏曲を演奏したときでした。

第2楽章のゆったりしたテンポでもトレモロは使用せず、ピッキングで音を伸ばす。このフンメルの時代(19世紀前半)は

トレモロという奏法は一般的ではなかったんですね。 こういう曲を集中的に練習していると、トレモロというマンドリンにおいては特徴的な奏法も 「なんか、トレモロって違うんじゃない?」と疑問(違和感)を感じ始めたのでした。 八分音符は八分音符、四分音符は四分音符、二分音符は二分音符、で弾こうと思ったら、トレモロ使えませんね。

トレモロって結局は連続音ですから。極端な例として一昔前のドイツのマンドリン界がそうでしたね。 しかし、時代様式なども考慮しつつ、現在ではトレモロもマンドリンのひとつの武器として見直されていますね。

ただ、「スラー=トレモロ」あるいは「長い音=トレモロ」という単純な読み方は改めてほしいものです。


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