12.レッスンで何を教えているのか?
マンドリンは他の楽器に比べて導入部分がやさしいと思われているせいか、先生に習うという慣習が少ないようです。
学校や社会人のクラブに入部してから始めた人は技術顧問でもいない限り、先輩から習ったというか、手ほどきを受けた
というパターンが最も多いようです。 マンドリンを達者には弾けても、専門的に教えられる先生がいなかった、というのも理由のひとつでしょう。 このコラムをお読みの方には完全な初心者は少ないわけで、「マンドリンのレッスンって、何をやってんの?」という疑問をお持ちの方も多いと思います。 そこで今回は、私がレッスンでどんなことをやっているのか記します。 1.まったくの初心者の場合 テキストの「新しいマンドリン教本・初級入門編(竹内郁子編)」を使って、楽器の構え方から楽譜の読み方まで教えます。 「楽譜が読めないんですけど。。。」ってよく言われますが、「生まれつき楽譜が読める人はいません。」っていつもお答えしています。私の生徒さんはほとんどが初心者です。 2.昔、マンドリンをやっていたという方の場合 上記テキストあるいは「正しい演奏法が学べるマンドリンレッスン1・川口雅行著」を使用します。
昔弾いていたけど、基礎からやり直したいという方は「新しいマンドリン教本・初級入門編(竹内郁子編)」ですね。
別に、私、竹内先生とは何の関係もないのですが、この教本は基本を学ぶ上ではとてもよく出来ています。 3.中級者以上の場合 何を持って中級者と言うか?ですが、ある程度曲が弾ける人ですね、独奏曲ではなくて、合奏曲を。
テキストとしては「ムニエル・マンドリン教則本」や「正しい演奏法が学べるマンドリンレッスン1・川口雅行著」。
ただ、「ムニエル・マンドリン教則本」にはわかりやすい練習曲が少ないので、「ポピュラーマンドリン二重奏・青山忠編」を併用する場合もあります。あと、この辺のテキストは必ずしも1ページ目からやらなくてもいいんですよ。自分に必要な部分、足りないところを補うような箇所からさらっていくのが合理的ですね。 4.上級者の場合 独奏曲をサラサラ弾く人です。ほとんどいません。生徒さん本人がやりたい作品を聴かせてもらい、アドバイスするといった感じのレッスンです。 弾いている本人は弾けているつもりでも、客観的に見ると、そうでもない場合が多々あります。そのためのレッスンだと私は思います。 レッスンを受けると、「演奏フォームなどを直されて、イチからやり直さないといけないんじゃないか?」と思っている方も多いようですが、余程のことがない限り、フォームなどの矯正の強制はありません。ただ、そのフォームでちゃんとした演奏が出来ればいいんですが、そうでない場合は必然的に矯正されるでしょうね。 最近、ご法度だと思っていた「右手の小指を表面板に付けて弾く」人がことのほか多いことに気づき、少なからずショックを受けました。小指を付けて弾いている人は表面板から小指を離すと弾けなくなるんですね、右手のバランスが取れなくて。 もちろん、初心者の方には最初から小指を付けないようにに教えますが、付けて弾いている人には無理強いしなくなりました(どうでもよくなりました、と言うべきかしらん?)。